大判例

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東京高等裁判所 昭和32年(ラ)43号 決定

民法の定めている相続人廃除の原因は、当該の推定相続人が、(イ)被相続人に対して虐待をしたこと、(ロ)被相続人に対して重大な侮辱を加えたこと、(ハ)その他著しい非行があつたこと、の三つであるが、現行民法における相続人の廃除は、旧民法のように家の維持を目的とするものではなく、相続人が被相続人に対して著しい非行をした場合に、被相続人において、一の制裁として、その相続人の相続権をはく奪することを認めた制度であるから、右(ハ)の「その他著しい非行」も、それは被相続人に対するものであることを要し、単に素行不良であるとか、他人に対して非行をしたという如きことは、これを含まないものと解すべく、また、被相続人に対する非行であつても、それが被相続人が誘発したものであるとか、その他その非行の因つて来る原因について、被相続人にも責められるべき点がある場合には、これを斟酌考量の上、なお、相続人の責められるべきものが著しい場合でなければ、廃除は許されないと解すべきである。

(内田 鈴木 入山)

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